さぁ、「NYから、アナタの質問に答えます」連載も3回目。今回は、ゲストの洋服についてお話ししましょう。インスタグラムで募集したアンケートで多かったのは、「ショーに招待されたら、そのブランドの洋服を身につけて行くのが常識?貸してくれる?自分で買う?」や「ゲストが着ているのは私物?プレゼント?人による?」などの質問でした。
1.一番気になるセレブの服は、私物?それともプレゼント?
まず皆さんが気になっている、「セレブの洋服は私物?それともプレゼント?」という質問。答えは、「どっちもある」。中途半端な答えで恐縮です(笑)。
でも、本当にそうだから仕方ありません。ただ強いて言えば、「結構有名なセレブでも、プレゼントは多分、案外多くない(バッグを除く)」。全身招かれたブランドの洋服というセレブでも、バッグはプレゼントかもしれませんが、洋服は要返却のサンプルというケースが大半です。洋服はそもそも貴重です。中でも“セレブ負け”しない一着、いわゆるランウエイに登場するコレクションラインは、生産数が少なく、ゆえに特に高価。なので全身、全アイテムをプレゼントしてもらうケースは、それほど多くないと認識しています。
2.一般ゲストの服装は?ブランドの洋服を着て行かないとダメですか?
中央のスパンコールのドレス、その左の赤いハイネックドレスは間違いなく「トリー バーチ」。“おてんばお嬢さん”なのかな(笑)?
一方我々は、そんな風に洋服をいただいたり、ショーのためにお借りしたりはあまりなく、私物でショーに伺います。ほとんどの場合、ドレスコードはありません。特に「そのブランドの洋服を着て行かないと、会場に入れない」なんてことは絶対ありません(笑)。
ただ個人的には好きなブランドのショーに行くなら、1点くらいは、そのブランドの洋服やバッグを身につけるとメチャクチャ楽しいと思います。着用アイテムがカブっちゃって違う国の業界人と「てへぺろ」するのも面白いし、ショー会場にいっぱいいるブランド関係者も優しく接してくれます。デザイナーにインタビューするなら、なおさら!!そして何より「あぁ自分は今、このコミュニティーに属しているんだな」と体感できるのは、目の前に現れる洋服を“自分ごと化”するために有効です。パパラッチに撮られる確率もアップするでしょう(笑)。
ムスっとショーを眺め黙々と記事を書いても、お祭り感覚で楽しんで感じたムードを記事に忍ばせても、ファッション・ウィークは同じように過ぎ去っていきます。なら僕が選ぶのは、後者の楽しみ方。同じように考えるゲストは多く、結果、「トリー バーチ(TORY BURCH)」に行けば「トリー バーチ」の人、「ティビ(TIBI)」に行けば「ティビ」、「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」に行けば「トミー ヒルフィガー」の人が増えるのです。